
ドイツのゴシック・メタル・バンドの3RDアルバム。
全体的に曲調こそ前作と同じだが、サビではむしろ「盛り下がる」ようなメロディを用いており、やや趣が異なる。
中盤からはまさにゴシック・メタルと呼びたくなるような、鬱々としながら叙情的なリード・ギターとコーラスを用いた曲が多くなり、弛緩した歌声とメロディや静動豊かな展開も見せられる。
総合的には進歩したと言えるのではないか。
しかし、このリフの構造といい、下手ウマなボーカルといい、ほとんどParadise Lostだ。作曲者のステファン(Vo)は普遍的なヘヴィ・メタルからの影響を口にするが、そのようなダイナミズムはあまり感じられない。
イマイチ鬱に徹し切れておらず、メロディもそこまで強くない。方向性も安定していない。マニア向け。
【おすすめの一曲】
#10 "Spiral Of Mystery"
展開の運び方が巧い。だが小手先な印象も否めない。
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