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Life After Doomsday

陰鬱な音楽を好む管理人が陰鬱な音楽を紹介します

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Darkseed "Diving Into Darkness"



ドイツのゴシック・メタル・バンドの4TH。バンド形式ではなくなり、ほぼステファン(Vo,Gt,Bs,Elc)のソロプロジェクトとなった。

本作では前作までかすかに残っていた明るさなど面影もなく、ひたすら鬱々とした、投げやりな感情を描いたような作曲である。
確かに叙情的なメロディは使っているのだが、北欧メロデスのような泣きのメロディではなく、曇天、積雪の果てしなく続く冬景色を見せられているかのようだ。ステファンの操る浮遊感に満ちたエレクトロニカもまた曲の暗さを増幅する。

また、単なるだみ声にしか思えなかったボーカルが大幅に成長し、力まない気だるげな歌唱には艶が、デスボイスには迫力が生まれた。
随所に登場するリードギターの、まるでポスト・ブラック・メタルのような悲愴も良い。

今までの煮え切らない雰囲気を脱し、一気にゴシック・メタルのあるべき姿にまで到達したことに拍手を送りたい。
捨て曲一切なしの好盤。

【おすすめの一曲】
#2 "I Deny You"
何と言っても歌詞が良い。深い絶望と憤怒に満ち溢れた名曲。
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Darkseed "Give Me Light"



ドイツのゴシック・メタル・バンドの3RDアルバム。

全体的に曲調こそ前作と同じだが、サビではむしろ「盛り下がる」ようなメロディを用いており、やや趣が異なる。
中盤からはまさにゴシック・メタルと呼びたくなるような、鬱々としながら叙情的なリード・ギターとコーラスを用いた曲が多くなり、弛緩した歌声とメロディや静動豊かな展開も見せられる。
総合的には進歩したと言えるのではないか。

しかし、このリフの構造といい、下手ウマなボーカルといい、ほとんどParadise Lostだ。作曲者のステファン(Vo)は普遍的なヘヴィ・メタルからの影響を口にするが、そのようなダイナミズムはあまり感じられない。

イマイチ鬱に徹し切れておらず、メロディもそこまで強くない。方向性も安定していない。マニア向け。

【おすすめの一曲】
#10 "Spiral Of Mystery"
展開の運び方が巧い。だが小手先な印象も否めない。

Darkseed "Spellcraft"



ドイツのゴシック・メタル・バンドの2NDアルバム。

なぜか日本にはメロデスとして紹介されていたが、聴くとその理由が何となく分かる。ゴシック・メタルと呼ぶには何ともメロディが明るいのだ。
曲によっては言い方は悪いが「上を向いて歩こう」的なポジティブさすら感じさせ、Pradise LostやAnathemaのような内省的なところがまるでない。
さらに随所にはさまれる女性ボーカルはとげとげしい歌い方だし、メインの男性ボーカルのだみ声がかった歌い方もどこかカラッとしている。要するに雰囲気が「らしくない」わけだ。

「ゴシック・メタルの超名盤」との巷の評価に釣り合った内容かどうかは疑わしいところ。
後のアルバムの内容を考えると、躁鬱状態の「躁」にあたる作品、という見方がいいのかもしれない。

【おすすめの一曲】
#2 "Fall Whatever Falls"
少し暗い。メタリックな疾走感を持つ佳曲。

Coldworld "Melancholie²"



ドイツの独りアンビエント・ブラック・メタル・プロジェクトの1STアルバム。

幽玄でたゆたうような雰囲気をまといながら、極めて鮮烈な印象のメロディを放つキーボード、どこまでも視界を白く染め上げる吹雪を思い起こさせる、背筋の凍りつくような荘厳さを持ったギターのトレモロリフ、喉の涸れ尽くしたような絶叫ボーカル。
それらすべてが効果的に混ざり合い、果てしない悲愴感と孤独感を聴き手に与えてくる。

圧倒的な個性こそないものの、個々の要素の完成度はこれまでにないほど高い。
Burzumが創始して以降、世界中で作られてきたアンビエント・ブラックのアルバムの中でも、随一の完成度と言って良いだろう。

悲しい気分のときに聴くと、絶望感が助長されるに違いない。

【おすすめの一曲】
#2 "Tortured By Solitude"
哀切のメロディがひたすら涙腺を刺激する超名曲。

Cathedral "Endtyme"



イギリスのドゥーム・メタル・バンドの6THアルバム。

Cathedralは1STアルバムでは劇的なヘヴィネスでドゥーム・メタルの始祖として名を馳せながら、その後はストーナー・ロック的なキャッチーさを感じさせるアプローチに終始していた。
が、リー・ドリアン(Vo)自身が「ジャンルの始祖であるのに最もヘヴィでないことに違和感を覚えた」といい、そのためかこの6THでは、ドゥーム界御用達のプロデューサーであるビリー・アンダーソンの下、再び1STの路線へと回帰。
結果として、汚さ、陰鬱さ、音からにじみ出る圧力に満ちた長尺な楽曲群に、これまでのアルバムで重ねてきたグルーヴが加わったため、とてつもないヘヴィネスに満ちている。

すべての曲が名曲級であり、後発組には負けぬとばかりの気概に溢れている。
1STと合わせて、ドゥームとは何かを語るに足る名盤である。

【おすすめの一曲】
♯9 "Templar's Arise! (The Return)"
13分を越える、深い抒情性に満ちた名曲。積み重ねられるプレッシャーが耳に心地よい。

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